不動産投資の家賃収入はいくら残る?手取りとキャッシュフローの計算方法
結論:この記事の要点
- 1 手取り=満室想定家賃から空室・運営費・ローン返済・税金を引いた残りの現金
- 2 家賃収入・不動産所得・キャッシュフローは別物。不動産所得は総収入金額-必要経費で計算する
- 3 ローンの元金返済は経費にならず、減価償却費は現金が出ない経費。所得と手取りがずれる主因
- 4 固定資産税は標準税率1.4%、都市計画税は制限税率0.3%が上限(総務省)
- 5 空室・家賃下落・修繕費・金利上昇を織り込まない試算は、実際の収支と大きく食い違う
家賃収入は、入ってくる金額と手元に残る金額がまるで別物です。月10万円の家賃でも、空室・管理費・修繕・ローン返済・税金を通り抜けたあとに残る額は、ずっと小さくなります。この記事でいう「手取り」とは、税引後に実際に手元へ残る現金、つまりキャッシュフローのことです。売却したときの利益(キャピタルゲイン)は別の論点です。ここでは保有中の収支に絞って見ていきます。計算は4つのステップに分けて追い、経費の内訳、不動産所得にかかる税金、物件タイプ別の試算例まで順に扱います。読み終えるころには、気になる物件の収支を自分で組み立てられるようになります。
不動産投資における家賃収入とは、所有するマンションやアパートなどを貸し出し、入居者から受け取る賃料収入のことです。管理費や修繕費、税金などの経費を差し引いた金額が、実際の収益になります。
家賃収入の手取りは物件条件によって異なる
家賃収入の手取りは、空室率や運営費、ローン返済額、税額などの条件によって異なります。
不動産投資を検討していると、「家賃収入」と「手取り」を同じ意味で捉えてしまいがちです。実際には、満室で得られる家賃をそのまま懐に入れられるわけではありません。空室や滞納、管理費、ローン返済、税金といった支出を経て、ようやく手元に残る現金が「手取り(キャッシュフロー)」です。
.webp)
手取り(キャッシュフロー)と家賃収入・不動産所得の違い
整理したいのが、「家賃収入」「不動産所得」「キャッシュフロー」という3つの言葉です。家賃収入は、家賃や礼金、更新料などを合計した売上そのものを指します。不動産所得は前述の通り、そこから必要経費を差し引いたもので、確定申告の際に税額計算のベースになる数字です。
キャッシュフローは、不動産所得に減価償却費などの現金支出を伴わない経費を戻し、ローンの元金返済分や所得税・住民税などを差し引いた、実際に手元へ残る現金です。会社員の給与に置き換えると、額面の給与が家賃収入にあたり、社会保険料や税金を引いた後の手取り額がキャッシュフローに近いイメージです。
手取り額を左右する3つの要因
手取りの水準は物件ごとに大きく異なりますが、影響の大きい要因は主に3つあります。1つ目は空室率です。入居者が決まらない期間が長いほど、実質的な家賃収入は減ります。2つ目は借入条件で、金利や返済期間によって毎月のローン返済額が変わり、手残りを左右します。3つ目は管理費や修繕費といった運営コストの割合です。これら3つの要因がどう組み合わさって手取り額になるのか、次の章から具体的な計算手順で確認していきます。
キャッシュフローの計算方法【4ステップ】
キャッシュフローは「満室収入→実質収入→運営費とローン返済控除→税引後」の4段階で計算すると、全体像がつかみやすくなります。
満室想定の収入から、現実的な数字へ少しずつ絞り込んでいく4つのステップに分けると、どこでいくら減っているのかが見えてきます。
ステップ1:満室時の年間家賃収入を出す
すべての部屋が埋まっている前提で年間家賃収入を出します。月額家賃7万円の部屋が5戸なら、月35万円、年間420万円が満室時の家賃収入です。礼金や更新料などの一時金を加えると、より実態に近い数字になります。ただしこの段階はあくまで「理想値」で、そのまま手取りにはなりません。
ステップ2:空室・滞納を見込んだ実質家賃収入を出す
次に、空室や家賃滞納を織り込んだ実質収入を算出します。10戸のアパートで常に1戸が空いていれば、空室率は10%相当です。空室になった部屋の収入はゼロでも、管理費やローン返済は待ってくれません。このギャップが、家賃収入とキャッシュフローの差を生む要因のひとつです。
ステップ3:運営費とローン返済額を差し引く
実質家賃収入から、管理費や修繕積立金などの運営費とローンの年間返済額を差し引きます。運営費は家賃収入の10〜20%程度を諸経費率として見積もる考え方が多く、固定資産税や賃貸管理費、修繕積立金などが含まれます。ローン返済額は借入額・金利・返済期間によって変動するもので、3,000万円を35年の元利均等で借りる場合でも、金利水準次第で年間返済額の幅は小さくありません。金利が低いほど、手取りは残りやすいといえるでしょう。
ステップ4:税金を引いて手取りキャッシュフローを求める
そして最後の段階では、不動産所得にかかる所得税・住民税を差し引きます。家賃収入432万円(家賃420万円に礼金・更新料を加算)から運営経費100万円、ローン返済200万円、税金40万円を引くと、手元に残るキャッシュフローは92万円になります。ここまで通すと「実際にいくら残るのか」の答えにたどり着けます。次の章では、この計算に含まれる経費の内訳を見ていきます。
家賃収入から差し引かれる経費の内訳
家賃収入から引かれる経費は、現金が出ていく経費と、出ていかない経費(減価償却費)に分けて考えると理解しやすくなります。
キャッシュフロー計算の中で「経費」とひとくくりにされがちな支出も、内訳を見ると性質の異なるものが混ざっているのです。何にいくらかかっているのかを知っておくと、収支シミュレーションの精度が上がるでしょう。
.webp)
管理委託料・修繕費などの運営コスト
管理会社に業務を委託する場合、入居者募集の広告宣伝費や設備点検費用、清掃費用などが管理委託料として毎月発生します。区分マンションなら管理費・修繕積立金、一棟アパートなら独自に修繕費を積み立てる形での支出です。管理委託料の水準は管理会社や委託範囲によって幅があるため、契約前に業務内容と料金の対応関係を確認しておくと安心です。
ローンの元金と利息の返済額
ローン返済のうち、経費として計上できるのは利息部分のみです。元金部分は経費になりません。会計上、元金の返済は借入金という負債を減らす処理であり、収益を生み出すための支出とは区別されます。土地取得のための借入金利子については、前述の通り赤字になった場合の損益通算の対象から外れる点も注意しておきたいところ。アパートローンの金利は住宅ローンよりも高めに設定される傾向があるとされ、返済計画を立てる際は金利タイプや将来的な金利上昇も視野に入れておきたいところです。
固定資産税・都市計画税などの税金
不動産を保有していると、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税が課税されます。都市計画税についても前述の通り地域差が大きく、市街化区域内の物件では合わせて負担することになります。軽減特例についてもすでに触れたとおりで、経費計上の観点では、所得税や住民税、ローンの元金返済分は必要経費に含められない点を押さえておけば十分です。
減価償却費は現金支出を伴わない経費
減価償却費は、建物や設備の取得費用を法定耐用年数にわたって分割し、各年の必要経費として計上する仕組みです。他の経費と大きく異なるのは、実際に現金が出ていく支出ではないという点でしょう。物件を購入した年に一括で支払った代金を、帳簿上は数年〜数十年かけて経費化していくイメージです。そのため、不動産所得の計算上は経費として差し引かれていても、手元の現金という意味では減っていません。この特性を理解しておくと、次章で扱う所得計算も見えやすくなります。
不動産所得にかかる税金の計算方法
不動産所得は「家賃収入-必要経費」で計算し、そこに所得税・住民税の税率を当てはめて納税額を求めます。
家賃収入からキャッシュフローを導く最後の関門が、税金の計算です。
不動産所得=家賃収入-必要経費
不動産所得は総収入金額から必要経費を差し引いて求めます。一棟アパート10室、家賃・共益費込み月5万円の物件が満室になれば、年間家賃収入は600万円です。礼金などの一時金を加えると720万円ほどになります。ここから修繕費や水道光熱費、管理委託費といった経費320万円を差し引くと、不動産所得は400万円です。この金額が所得税・住民税の計算の基礎になります。
所得税・住民税の税額シミュレーション
所得税は課税所得金額に応じて5%から45%までの7段階で税率が変わる累進課税です。国税庁の速算表では、課税所得330万円超695万円以下は税率20%・控除額42万7,500円、695万円超900万円以下は税率23%・控除額63万6,000円とされています。給与所得と不動産所得を合算した課税所得が700万円なら、700万円×23%-63万6,000円で所得税額は約97万4,000円です。加えて令和19年分まで、復興特別所得税として基準所得税額の2.1%相当が上乗せされます。住民税は所得割として原則10%程度が課される仕組みが一般的ですが、自治体によって税率が異なる場合もあります。不動産投資では給与所得に不動産所得が上乗せされ総合課税されるため、税率区分が想定より上がることもあります。
確定申告で使える控除で手取りを増やす
不動産貸付けが事業的規模に該当し、所定の要件を満たす場合は55万円、さらに追加要件を満たす場合は65万円の青色申告特別控除を受けられます。65万円控除の適用には、複式簿記による記帳と貸借対照表・損益計算書の添付に加え、e-Taxによる申告か優良な電子帳簿保存のいずれかが必要です。これらを満たさない場合は55万円控除、簡易な記帳のみなら10万円控除にとどまります。事業的規模かどうかによっても、適用できる特典の範囲は変わります。控除額が増えれば課税所得が減り、手取りキャッシュフローの改善につながるため、申告方法の選択は軽視できません。
【物件タイプ別】家賃収入と手取りのシミュレーション例
区分マンション・一棟アパート・戸建てでは、初期費用や運営コストの規模が異なるため、手取りの出方にも違いが出ます。
同じ不動産投資でも、物件タイプによって収支の構造は変わってきます。ここまでの計算方法を踏まえて、タイプ別の特徴を整理しておきましょう。
.webp)
区分マンション投資の収支シミュレーション
区分マンション、いわゆるワンルームやコンパクトタイプの1室投資は、購入代金や修繕費、管理費といったランニングコストを比較的抑えやすいのが特徴です。一方で家賃収入も1室分にとどまるため、空室になった瞬間に収入がゼロになるリスクをそのまま抱えることになります。管理組合が定める修繕積立金は将来的に値上げされる場合もあります。購入前に長期修繕計画を確認しておくと、想定外の支出増を避けやすくなるでしょう。
一棟アパート投資の収支シミュレーション
一棟アパートは複数の部屋を保有するため、1室が空室になっても他の部屋の家賃収入でカバーできる点が強みです。先述の例では、10部屋・満室想定家賃収入720万円、経費320万円で不動産所得400万円という試算がありました。5部屋・家賃420万円に礼金・更新料12万円を加えた年間収入432万円のケースでは、運営経費100万円とローン返済200万円、税金40万円を差し引くとキャッシュフロー92万円という結果になっています。これらからも分かるとおり、規模が大きい分だけ収入も支出も増える構造といえます。初期費用やローンの借入額も大きくなるため、金利上昇時の影響を受けやすい点は意識しておきたいところです。
戸建て投資の収支シミュレーション
戸建て投資は、1戸に対して1世帯が入居する仕組みのため、空室になれば家賃収入がゼロになる点は区分マンションと共通しています。ただし土地付きで取得できる物件が多く、建物が老朽化しても土地としての価値が残りやすいのは戸建て特有のメリットです。表面利回りだけで判断せず、購入時の諸費用や将来の修繕費まで含めた実質利回りで検討する姿勢は、どの物件タイプでも共通して求められます。
家賃収入だけで生活するのが難しい理由と注意点
家賃収入だけで生活を成り立たせるのは簡単ではなく、空室・金利・管理の3つのリスクを織り込んだ計画が欠かせません。
ここまで見てきた計算方法は、あくまで一時点でのシミュレーションです。実際の賃貸経営は数十年単位で続くものであり、時間の経過とともに条件が変わっていくことも忘れてはいけません。シミュレーション通りに事が運ぶとは限らない、という前提で計画を立てておくことが、後々の安心につながります。
空室・家賃下落で手取りが減るリスク
戸数の少ない物件ほど、空室が発生すると収入への影響が大きくなります。空室が続けば収入はゼロに近づきますが、ローン返済や管理費といった支出は発生し続けるため、キャッシュフローが一気に悪化しかねません。築年数が経過するにつれて、入居者確保のために家賃を下げざるを得なくなる場合もあります。当初のシミュレーションどおりの収入がずっと続くとは限らない点は、心に留めておきたいところです。全国の空き家率は2023年10月1日時点で13.8%と過去最高を記録しており、賃貸用の空き家も一定数存在します。この数値は全国平均であり地域や築年数によって差が大きいものの、空室リスクが決して他人事ではないことを示す材料といえます。
修繕費や金利上昇で支出が増えるリスク
築年数が進むほど、給湯器や外壁、屋根といった設備の修繕費がかさみやすくなります。老後の生活資金として家賃収入をあてにする場合、その時点で物件の築年数もかなり経過しているケースが多く、突発的な修繕費が発生する可能性は年々高まっていきます。変動金利でローンを組んでいる場合は、金利が上昇すれば毎月の返済額も増えてしまいます。借入時の金利水準が低くても、返済期間中ずっとその水準が続く保証はありません。この点は、長期の収支計画を立てるうえで避けて通れないポイントです。
家賃収入=不労所得ではない管理の手間
家賃収入は「何もしなくても入ってくるお金」というイメージを持たれがちですが、実際には物件選定や管理会社との契約、修繕の意思決定など、オーナーが担う役割は少なくありません。筆者自身、シミュレーションを重ねるほど「不労所得」という言葉のイメージと実態のギャップに戸惑いを覚えました。日常的な管理業務の多くは管理会社に委託できるものの、委託先の選定や契約内容の見直しはオーナー自身の判断が必要です。会社員を辞めて不動産投資に専念する場合、社会保険料が全額自己負担になるなど、給与所得者とは異なる負担が生じる点も見落とされがちな注意点といえるでしょう。
手取りのキャッシュフローを増やす方法
手取りを増やすには、入居率の維持・借入条件の見直し・所有物件数の拡大という3つの方向から手を打つのが基本です。
ここまで見てきたリスクを踏まえたうえで、実際にキャッシュフローを底上げするために取れる具体的な打ち手を整理しておきます。
入居率を高めて実質家賃収入を維持する
空室期間を短くすることは、手取りを増やすうえで最も直接的な効果があります。信頼できる賃貸管理会社をパートナーに選び、周辺相場に見合った適正な家賃設定を維持することが基本になります。あわせて、更新料や礼金を設定しない、あるいは近隣相場と比較したうえで見直すといった工夫も、早期の入居付けにつながる場合があるでしょう。空室期間を1か月短縮できれば、その分の実質家賃収入がそのままキャッシュフローの改善に直結します。
借入条件を見直し返済負担を軽くする
ローンの返済額は、キャッシュフローに占める割合が大きい支出のひとつです。借入時の金利水準や返済期間によって毎月の負担は大きく変わります。借り換えや条件交渉によって金利を引き下げられれば、その差額がそのまま手取りの改善につながるはずです。支払利息は経費として計上できる一方、元金部分は経費にならないという仕組みを理解したうえで、繰り上げ返済のタイミングを検討するのもひとつの方法でしょう。金融機関によって金利水準や審査基準は異なるため、複数の金融機関を比較検討する姿勢が欠かせません。
所有物件数を増やしてスケールさせる
1棟あたりの収益を最大化する工夫と並行して、所有する物件数を増やしていくことも、家賃収入の総額を底上げする方法のひとつです。物件を複数保有すれば、1つの物件で空室が出ても他の物件の家賃収入でカバーしやすくなり、収入源が分散される効果も期待できます。悩ましいのは、物件数を増やすほど管理の手間や借入総額も膨らんでいく点で、どこまで拡大するかの見極めが難しいところです。ここまで紹介してきた計算方法とリスクの理解を土台に、無理のない範囲で、自分に合ったペースで物件を増やしていく視点を持つとよいでしょう。
カテゴリから探す
家賃収入の手取りを正確につかむには、収支計算の基本と合わせて、関連するテーマも押さえておくと理解が深まります。
不動産投資の収支は、家賃収入や経費だけで決まるものではありません。物件の選び方やエリアの賃貸需要、税制の変化など、複数のテーマが絡み合っています。キャッシュフローの計算方法を理解したら、検討中の物件タイプやエリアに関する情報にも目を向けてみてください。判断材料がより具体的に集まってくるはずです。
区分マンションと一棟アパートでは、初期費用の規模も管理の手間も異なります。確定申告や減価償却の扱いは、制度改正によって変わることもあります。関連するカテゴリの記事もあわせて確認しながら、ご自身の投資計画に合った情報を継続的にチェックしていくとよいでしょう。
まとめ
押さえていただきたい点を振り返ります。
- 手取りは「満室想定家賃-空室・滞納-運営費-ローン返済-税金」で求めます
- ローン元金は経費にならず、減価償却費は現金支出がありません。この2つのズレが所得と手取りの差を生みます
- 固定資産税の標準税率は1.4%、都市計画税は制限税率0.3%が上限とされています(総務省)
- 空室・家賃下落・修繕・金利上昇を織り込んだ試算でなければ、実際の収支とはかけ離れてしまいます
提示された利回りだけで判断してよいのか、迷っている会社員の方も多いのではないでしょうか。そうした方にとって、この4ステップはそのまま検討の物差しになるはずです。ここまで読んでいただいた方が次にすべきことは、検討中の物件の数字を実際に当てはめてみることです。ご自身の試算が妥当か確かめたい段階でも構いませんので、気軽にお問い合わせください。
※掲載内容は執筆時点の情報です。最新情報は各自治体・関係機関の公式ホームページをご確認ください。
出典
- No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得) — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
- No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1391.htm
- 【確定申告書等作成コーナー】-不動産所得の計算方法 — https://www.keisan.nta.go.jp/r7yokuaru_sp/cat2/cat21/cat211/scid1526.html
- No.2260 所得税の税率|国税庁 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
- No.2100 減価償却のあらまし|国税庁 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm
- No.2072 青色申告特別控除|国税庁 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm
- 総務省|地方税制度|固定資産税の概要 — https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html
- 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果 — https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf
- 総務省|地方税制度|都市計画税 — https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_10.html
よくある質問
Q確定申告で青色申告特別控除は必ず65万円受けられますか?
いいえ、要件を満たした場合に限られます。55万円控除は不動産所得等を生ずべき事業であること、正規の簿記による記帳、貸借対照表等を添付した期限内申告が要件で、65万円にはさらに電子帳簿保存または期限内のe-Tax提出が必要です。要件を満たさない場合は10万円控除となります。
Qローン返済額は全額を経費にできますか?
できません。経費にできるのは利息部分のみで、元金の返済は経費になりません。さらに不動産所得が赤字の場合、土地等の取得に要した借入金の利子に相当する部分の損失は損益通算の対象外とされています。この扱いを知らないと、手取りの見積もりが実態より大きくなります。
Q不動産所得と家賃収入、キャッシュフローは何が違いますか?
家賃収入は賃料などの総収入、不動産所得は「総収入金額-必要経費」で計算する税務上の所得です。キャッシュフロー(手取り)は、そこからローン元金の返済や納税額を差し引いた実際に手元に残る現金を指します。減価償却費は現金支出を伴わない経費、ローン元金は経費にならない支出なので、所得とキャッシュフローの金額はずれます。
Q不動産投資の「運用益」と「売却益」はどう違いますか?
運用益(インカムゲイン)は保有中に得る賃料収入、売却益(キャピタルゲイン)は物件を売ったときの差益です。この記事で扱う家賃収入の手取り計算は運用益の話で、売却時の譲渡所得は所有期間で長期・短期を判定する別の税計算になります。両者を混ぜて収支を見ると判断を誤りやすいため、分けて考えてください。
Q家賃収入から実際に手元に残るのはどのくらいですか?
満室想定家賃の6〜8割程度が運営費控除後の目安として使われますが、これは経験則で公的な裏付けのある数値ではありません。ここからさらにローン返済と所得税・住民税が引かれるため、借入が大きい物件では手残りが月数千円ということもあります。空室率・運営費率・返済額・税率の4つを自分の物件の条件で当てはめて計算するのが確実です。
監修・運営
山﨑天馬
株式会社HI's 代表取締役/宅地建物取引士
宅地建物取引士。不動産業界歴10年。首都圏・関西圏の投資用不動産の売買・運用を中心に、投資家・オーナーの意思決定を数多く支援してきた。本メディアでは、公的データと現場の実感を突き合わせ、中立的な視点で記事を監修している。